今から2年程前まで、Webデザイナーの仕事をしていました。
就職・転職が多い季節が近づいてきているので、Webデザイナーを退職した理由とその際に考えた事についてを書いてみようと思います。
ただ「webデザイナー辞めました、こうこうこうで…」だけだと分かりずらいので、この仕事に辿り着いた経緯からお話ししていきます。少し長めの記事になりますが、お付き合いいただければ幸いです。
Webデザイナーになった経緯
自分のキャリアに不安を抱いたのが始まり
新卒で入った会社では一般事務職として勤めていました。
8年目になり何回目かの部署異動をしたのですが、そこの所謂お局様的な方とうまくいかず悩んでいました。
今回のテーマとは異なるので詳しくは割愛しますが、所謂パワハラに遭っていました。
※このパワハラの件は当記事では割愛しますが、後日別記事にする予定です
当時の私は「自信が無い」という状態がデフォルトで、特に仕事上で困るシーンが少なくありませんでした。なので 自信がないので確認をする→自信がなさそうな雰囲気が気に入らないので怒鳴られる→萎縮する→さらに攻撃される→さらに萎縮して自信をなくす…という負のループでした。
そんな職場環境が嫌で転職活動をしてみたこともあったのですが、「自分がどんな仕事をしていきたいのか」という軸がブレていたので、当然上手くいきませんでした。
人事異動の希望も出してみたのですが、上司に「異動してきたばかりなんだから無理、てか君は何が出来るの?ww」と言われました。
「事務での転職は厳しそう、異動も出来ない、なら需要があって自信を持てるスキルを身につけてここから抜け出さないと」と疲弊した頭で毎日のように必死に考えていました。
自信が無さそうにしているからパワハラに遭うんだろうな…と考えていました (もちろんする方が悪いけどね…!)
職場の人間関係で悩んだのがきっかけではありますが、新卒から入社して数年経った頃から今後もずっと同じ会社で働き続ける事への不安や疑問が頭の片隅にありました。
上司からも指摘されているとおり「自分の得意な仕事はコレだ」と言えるものが特に無いことも気になっていました。
以前からweb業界にほんのりと興味はあった
「自分の得意分野で世の中に役立つスキルや仕事」という条件で探しました。 いつか組織を離れて独立して仕事をする…という事になった際にも情報発信に役立つスキルを身に着けたいと考えていました。
こういう本も読んでみました↓
そんな時に見つけたのが「webデザイナー」という仕事でした。
当時はもうスマホでいつでもインターネットが見られるようになり、webで様々な事が完結する時代になりつつありました。自分の作ったものが誰かを助けたり、役立ったりする仕事が出来たら良いな、と思いました。
ちなみに私はPhotoshopはそこそこ使えたこと、かつて好きなアニメキャラのファンアートを公開する為の個人サイトを作って運営していた事があります。
「これなら頑張れば仕事に出来るかもしれない」と思いました。
民間のスクールに通い始め(在職中だったのでオンライン受講がメインでした)、デザインの知識、PhotoshopやIllustrator等のアプリケーションスキル、HTMLやCSS、JavaScriptのコーディング、CMS等webデザインの基礎的な事を総合的に勉強し、受講中の年度末に(一応は)円満に退職しました。
退職から半年後、小さなWeb制作会社にアルバイトのデザイナーとして採用され、Webデザイナーとしてスタートを切りました。
ちなみにwebデザイナーの就職は、未経験だと正社員の求人は殆どありません…
アルバイト等非正規雇用から経験を積んで転職していくのが定番のようです
Webデザイナーを辞めることになった経緯
あれだけ悩んで憧れてエネルギーを費やしてwebデザイナーになったのに、なぜ辞めたのか。
1年半程webデザイナーの仕事を経験したうえで、自分の人生をどう過ごしたいのかを考えた結果、Webデザイナーを辞めることにしました。
自主的とはいえ休日対応に疑問
年度末の繁忙期にそこそこ規模が大きいサイト改修を担当したのですが、残業しても業務時間だけでは間に合わず(こっそり)休日に作業をしていました。
先輩方も同様に休日に作業していたこと、自分のスキルが低いせいもあると思っていたので言い出せませんでした。
繁忙期だけだったかもしれませんが、休めないのはもちろんしんどいし、会社に黙って作業している後ろめたさがありました。
休日対応はこっそりなので会社に黙ってです、違法なので絶対に真似しないでくださいね
自分がなりたかったのはデザイナーではなかった?
私が居たのは分業制の会社ではなかったので、案件が来たら手が空いている人が担当するという方式でした。
なので社内のデザイナーとして役立つためには、幅広いスキルをある程度持っていて必要な時にすぐに引き出せるようになる必要がありました。
デザインやコーディングはもちろん、ネットワークやセキュリティの知識もそこそこあって、周囲とスムーズにコミュニケーションが取れる…明言はされていませんが、こうなってほしいというニーズは制作の現場にいてひしひしと感じました。
私自身もそれが理想のデザイナーだと思って日々仕事をしていたのですが、現実は次々とやって来る保守の対応に追われ、未経験の少し難易度の高い作業がくるとドキドキして、ミスると先輩に泣きつく…という体たらくでした。
自主的なアウトプットどころか、インプットもままならない日々でした。
「休日もwebにどっぷり浸かるくらいの気概が無いとデザイナーは向いてない」と先輩が言っていたのを聞いて、本当にその通りだな…と思いました。
web業界でバリバリ活躍したい、好きでたまらないのなら最高の環境ではあります
自分のコンテンツ作りと発信がしたくなった
私は元々イラストや漫画を描くのが好きで、ずっと趣味の範囲内でやっていましたが、webデザイナーの仕事をする中で様々なイラスト素材を目にするうちに自分にしか作れないコンテンツを作って発信したいと思い気持ちが強くなりました。
1か月前に上司に打ち明け、自分の担当業務が完了するタイミングで退職しました。
実務経験は2年にも満たなかったのですが、当時既に30代になっていた為決断は早い方が良いと思いました。
webデザイナーを辞めたその後
副業も視野に入れ非正規雇用で事務に復帰した
デザインの仕事を離れて、今一度自分がどうしていきたいのかを考える時間が欲しかったので、退職から1ヶ月後に経験のある事務職に復帰しました。
正社員ではなく非正規雇用にしたのは、副業への挑戦を視野に入れた為です。
貴重な経験ができたと思えるように
実際に業界に入らなければ得られなかった事もたくさんあります。
デザインは作り手の何となくや感覚で作られているのではなく理論があることは、勉強して実務を経験しなければずっと知らないままでした。
ITリテラシーへの意識は上がって今の仕事でもプライベートでも役立っています。
WordPressのセキュリティ面での弱点を聞いたので、初めてのブログははてなブログで始めました(当ブログです)。
(私が居た制作会社は別の有償のCMSを使用していました)
アルバイトでしたが大口のクライアントのサイトの保守担当、チラシや年賀状等web以外のデザイン、CMS等web関連の業務を幅広く経験させて貰いました。
退職後にイラストのお仕事を頂けたのは本当に有り難かったです。 大変だった事を主に上記でつらつらと語りましたが、作るのが好きなので基本的には楽しく仕事をさせてもらいました。
辞めるのも、始めるのも自由
私は、辞めた後に自分で落とし前を付けられるなら辞めて良いと思っています。
辞めることによって起き得る事、メリット・デメリットを受け入れて対処するのはいつだって自分です。
(特に日本人は、何かを辞める事をネガティブに捉えがちだと思うのです)
自分の進む道を自分で決めて歩む経験は、自分に自信をくれました。
webデザイナーは人々の生活を支える無くてはならない仕事です。
私のように挫折する人は決して少なくはありませんが、スキル次第で道が開けるしITやデザインのスキル・知識は何かと役に立ちます。
自分で作ったものが形になって世の中や人の役に立つ喜びや、単純に作る楽しさもあります。
興味があるなら学んでみる価値は大いにあると思います